野鳥に興味があるけど、どこに行けば野鳥と出会えるのかわからない、そんなお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?当ページでは、野鳥に出会えるスポットとしてオススメの「東京都立石神井公園」(以降は石神井公園と記述します)を紹介します!
私も石神井公園には頻繁に野鳥観察に行きます。以下が最近の石神井公園での野鳥観察記録になります。興味があれば是非閲覧ください。
その他の石神井公園での野鳥観察の記録は当該スポットのタグページを追っていただければ閲覧可能で、大体年間50回ほどのペースで数年ほど通い詰めています。
そんな石神井公園通いの野鳥観察経験者の立場で、このスポットの魅力を余すところなくお伝えできればと思います!
それでは紹介を進めていきましょう!
石神井公園はどんな所?
石神井公園は東京都練馬区にある都立公園です。約20ヘクタール、東京ドームおよそ4個分の広さを誇る公園です。この広い敷地は主に池と森で構成されており、野鳥が過ごしやすい環境が整っています。遊歩道も整備されており、非常に散策がしやすいです。
園内には石神井池、三宝寺池の2つの池があります。石神井池は園の東側に位置し、昼間は有料のボートで賑わっているため、別名「ボート池」とも言われます。西側の三宝寺池は鬱蒼とした森に囲まれておりいかにも鳥が好みそうな雄大な自然が広がります。
その他、「石神井城跡」や「池淵遺跡」のような史跡や、遊具が設置された「アスレチック広場」、「野球場」、「テニスコート」のようなスポーツ施設も存在しており、自然観察以外にも幅広い利用が可能な公園になっています。
石神井公園の情報
インターネット上の公式情報
公式サイト
SNS
動画
「東京都」が公開している、石神井公園についての現地映像付きでの解説を行っている動画を紹介します。自然の多い石神井公園の特色がよく分かる動画となっています。
スポットへのアクセス
この項目に記載の情報は記事執筆時点での情報です。更新から時間が経っている場合は以下の公式サイトの情報を確認してください。
石神井公園は東京都練馬区石神井台一・二丁目、石神井町五丁目に位置しています。公園は常時開放されており、入園料は無料です(一部有料施設あり)。車椅子の貸出も可能で、2台用意されています。
所在地
練馬区石神井台一・二丁目、石神井町五丁目に位置します
23区内に存在し、徒歩で無理なく通える範囲に駅も存在するため、気軽に立ち寄ることが可能です。
交通アクセス
- 西武池袋線「石神井公園」駅から徒歩7分
- 西武新宿線「上井草」駅から長久保行きバスに乗り、「三宝寺池」で下車。その後、石神井公園行きバスに乗り、「石神井公園」で下車。
駐車場情報
公園には有料駐車場が2箇所あり、24時間利用可能です。駐車場の利用料金は交通系電子マネー及びICクレジットでの精算が可能です。また、駐車場内では無料のWi-Fi(フリースポット)を24時間(1日3時間まで)利用できます。
石神井公園第一駐車場
- 住所: 練馬区石神井町5-20
- 電話番号: 03-3904-2945
- 料金: 普通車は1時間まで400円、以後30分毎に200円。入庫後12時間最大料金は1600円。
- 台数: 41台(うち身障者用2台)
石神井公園第二駐車場
- 住所: 練馬区石神井町5-17
- 電話番号: 03-3904-2945
- 料金: 普通車は1時間まで400円、以後30分毎に200円。入庫後12時間最大料金は1600円。
- 台数: 29台(うち身障者用2台)
野鳥観察でのおすすめスポット
石神井公園には様々な魅力あるスポットがありますが、ここでは野鳥観察を行う上でオススメのスポットについて解説していきます!
なお、園内全体を解説したマップについては公式が提供するマップがありますので、以下リンクからそちらを参照してください。
石神井池
石神井池ではカモ類やサギ類、ウなどの多くの水鳥が見られます。春夏はあまり多くはみられませんが、冬になると大陸から渡ってきた多くのカモ類をここで観察することが出来ます。
この池では多くの方がボート遊びを楽しんでいます。野鳥にとってはボートは怖いものではあるため、ボートが多いところにはあまり野鳥が多く見られません。中央にある中之島より西側へは背の高いスワンボートが立ち入れない都合、ボートの数が減るため、野鳥探しを行う際はこちらを見るのがおすすめです。
周囲にはベンチや野外ステージ等の座れるスポットも多くあるため、持ち込んできた食事を食べながらゆっくり休憩を取りやすいスポットでもあります。野鳥観察とは関係ないですが、晴天の日にボートが浮かぶ景色を眺めながら食事を摂るのも平和的な風景で気分が和みます。
石神井池南側
石神井池の南側はずらっと木々が立ち並びます。そのため、樹上での生活が好きなカラ類などの小鳥やキツツキを観察することが出来ます。
背の高い木が多いため鳥さんとの距離は遠くなりがちです。鳴き声がしたら上の方を探してみると良いでしょう。
三宝寺池
三宝寺池も石神井池と同じくカモ類やサギ類、ウなどの水鳥が多く見られます。ただし、こちらの方が広く、森に囲まれ鬱蒼としており、ボートのような人間の侵入もないため、より多様かつ豊富な種類の鳥が見られます。特に、2023年の繁殖シーズンからサギのコロニーが作られるようになったため、大変多くのサギ類に出会うができるようになりました。
また、この周囲を歩いていると運が良ければカワセミの愛らしい鳴き声を聞くことができるかもしれません。声を頼りに探してみれば、もしかしたら出会うことができるかもしれません。
三宝寺池の北側にはベンチや机なども用意されており、休憩や機材の調整などを行うのにピッタリの場所になっています。
三宝寺池沼沢植物群落
三宝寺池に存在する浮島です。ここは天然記念物に指定されるほど多くの植物が茂る自然豊かな箇所であり、また、普段は人間が立ち入れない場所のため、このような場所を好む非常に多くの野鳥が見られます。
石神井公園で見られるほとんどの鳥がここで見られます。特に、冬に渡ってくる小鳥などは、人間から距離を取りたい個体が多いのか、この場所に隠れていることが多いと感じます。
ただし、やはり遠い上に植物が多く見通しも悪いため、この場所に潜む野鳥を観察するのは大変です。できるだけ焦点距離の長い光学機器を持ってくることをおすすめします。
三宝寺池外郭 石神井城跡 ~ おべんと広場
三宝寺池は周辺が森で囲われており、その森の中にも遊歩道が整備されています。ここではカラ類などの小鳥やキツツキを見かけることが多く、運が良ければ可愛いヒタキ類に出会うこともあります!
この箇所には野鳥誘致林といういかにも野鳥観察向けの施設が用意されています。鳥用の水飲み場や水たまりが設置された森の中を覗ける窓が設置されており、野鳥を観察できる…という触れ込みなのですが、残念ながらここから野鳥を観察できたことはあまり多くないです。気になる声がしたら覗いて見るくらいで、あまり期待はしないほうが良いです。ただし、覗き窓からはあまり見られないだけで、周囲の森では比較的多くの野鳥が見られます。
オススメの機材
石神井公園は比較的野鳥と人間の距離が近い環境です。そのため、双眼鏡であれば8倍程度、カメラレンズであれば200mm程度あればある程度不自由なく野鳥を観察することができるでしょう。池でくつろいでいるカモを眺めたい、程度であればもっと短くても大丈夫です。
以下の記事で初心者にオススメのカメラを紹介しています。こちらの記事で紹介しているカメラであれば、「PowerShot SX70 HS」相当の性能があれば野鳥撮影を楽しむことができるでしょう。とはいえ、園内は木が多く、薄暗い場所も多いです。そのため可能であればある程度高感度に強いカメラを持ち込むことをおすすめします。
その他、風景も大変綺麗な場所ですので、広角レンズを持ち込むのもオススメです!
三脚の持ち込みは以下の点からオススメできません。
- 狭い歩道が多く、三脚を設置する十分なスペースを確保できない
- 三脚設置禁止の場所がある
とはいえ、全ての箇所が不向きかつ禁止というわけではありません。明確な観察対象やスポットが決まっており、かつ三脚を設置することが出来そうな場所である場合に限り、持ち込むと良いでしょう。
代わりに、軽量かつ少ないスペースでも設置可能な一脚の利用をオススメします。
その他、石神井公園は自然豊富なスポットであり、野鳥以外にも美しい風景や綺麗な花、興味深い虫などに出会うこともあります。そのため撮影を行っていると野鳥用の望遠レンズ以外のカメラも同時に扱いたいと思うことも多々あります。そのような場合には「カメラホルスター」の導入がおすすめです。Ulanziのカメラホルスターについて以下でレビューしていますので、気になりましたらご一読お願いします。
生息する野鳥の紹介
石神井公園では主に以下のような野鳥が見られます。
夏
アオクビアヒル | アオゲラ | アオサギ | アオバズク | アオバト |
エゾムシクイ | エナガ | オオムシクイ | オオルリ | カイツブリ |
カルガモ | カワウ | カワセミ | カワラバト | キジバト |
キビタキ | ゴイサギ | コゲラ | コサギ | サンコウチョウ |
シジュウカラ | スズメ | センダイムシクイ | ダイサギ | ツツドリ |
ハクセキレイ | ヒヨドリ | ムクドリ | メジロ | ワカケホンセイインコ |
冬
アオクビアヒル | アオゲラ | アオサギ | アオジ | イカル |
ウグイス | エナガ | オオタカ | オオバン | オカヨシガモ |
オナガガモ | カイツブリ | カルガモ | カワウ | カワセミ |
カワラバト | キジバト | キビタキ | キンクロハジロ | クイナ |
ゴイサギ | コガモ | コゲラ | コサギ | シジュウカラ |
シメ | ジョウビタキ | シロハラ | スズメ | ダイサギ |
ツグミ | トラツグミ | ハクセキレイ | ハシブトガラス | ハシボソガラス |
バン | ヒドリガモ | ヒヨドリ | ホシハジロ | マガモ |
その中でも特によく見られる代表的な野鳥を何種類か紹介します!
なお、見かけた野鳥の判別についてはスマホアプリ「Google レンズ」を使うと快適です。過去にこのアプリについてまとめた記事をアップしていますので、こちらもオススメです!
シジュウカラ
シジュウカラは全長14.5cm、体重約14gの小型の鳥で、日本全国に広く分布しています。背中は鮮やかな緑色で、お腹の黒い模様が特徴的です。この特徴が転じてネクタイ鳥と呼ばれることもあるそうです。生息地は平地から山地の林まで多岐にわたり、市街地や住宅地でもよく見かけます。木の穴に巣を作ることが多いですが、人工的な狭い穴にも巣を作ることがあります。
石神井公園にも多くが生息しており、木々が茂っている各所でその声を聞くことが出来ます。
アオサギ
アオサギは日本で繁殖する最大のサギで、全長は93cmにも達します。その名前は青みがかった灰色の羽毛に由来しています。飛行時には長い首をZ字型に曲げ、後方へ脚を伸ばし、大きな翼をゆっくりとはばたかせます。また、その鳴き声は「グワァー」と大きく、飛行中には「グワッ」や「カァン」と聞こえることがあります。アオサギは高い樹上に大きな巣を作り、集団で繁殖することが一般的です。食性は動物食で、魚類や水辺で捕れる両生類、爬虫類、甲殻類、そして小鳥のヒナなども食べます。
石神井公園では例年繁殖が確認されており、年々個体数が増加しています。何時間か滞在していると、何度かアオサギが優雅に空を舞う姿と、そこから予想できないインパクトのある鳴き声を聞くことが出来ます。
カワセミ
カワセミは全長17cmで、体に対して長いくちばしを持つ魚取りに優れた鳥です。日本全国で見られ、巣は土崖に横穴を掘って作ります。主に淡水域の水辺で餌をとりますが、海岸で餌を探すこともあります。鮮やかな羽色と翡翠のような体色から「飛ぶ宝石」とも称され、その美しさは古代から注目されてきました。
石神井公園では季節により難易度は異なるものの、通年通して見ることができる野鳥の一つです。夏よりは冬のほうが姿を見かけることが多いです。園内を巡っていると、自転車のブレーキ音のような、「チー」という澄んだ高い声を聞くことがありますが、これがカワセミの鳴き声です。この声を頼りにカワセミを探してみましょう!
ジョウビタキ
ジョウビタキは全長15cmの鳥で、オスは頭が銀白色、顔は黒色、腹は赤茶色で、メスは体が灰色味のある茶色です。オスメスともに翼には白斑があります。日本では主に冬鳥として知られ、積雪のない地方で越冬し、平地から低山の農耕地、住宅地、公園、河原などに生息します。ジョウビタキの名前は「尉」(銀髪)と「火焚」(火打石をたたく音に似た音を出す)から来ています。また、翼にある白い斑点をキモノの紋に見立てて、モンツキドリと呼ばれる地方もあります。ジョウビタキはときどきぴょこんとお辞儀をして尾を振る、愛らしい冬鳥です。
例年冬になると石神井公園にもやってきます。名前の由来にもなった火打ち石のような鳴き声や、一定のリズムの高い鳴き声を聞いたらあたりを探してみましょう。ジョウビタキのお辞儀が見られるかもしれません。
根気強く通っていれば、以下のような餌を探す様子も見られることがあります!枯れ草の上をぴょんぴょん飛び回る姿が可愛らしいです。
キビタキ
キビタキは全長13.5cmの鳥で、オスはオレンジと黒からなるカラフルな色彩を持ち、一方でメスは地味な暗緑色です。キビタキは木の穴や建物の隙間に巣を作り、繁殖期にはオスが日の出とともに美しい「さえずり」を歌い上げ、なわばりを宣言します。その美しい体色と声で、夏鳥の中でも特に目立つ存在です。
4 ~ 5月になると石神井公園にもやってきます。その非常に美しい声は園内に広く響くため、キビタキが居ること自体は比較的簡単に知ることが出来ます。ただし、姿を見つけることができるかはまた別の問題で、小さく、素早く、背中が暗い色で、目で観察することはなかなか難しいです。野鳥観察に慣れてきたらぜひ見つけてみたい種類の鳥になります。観察の難しい鳥を見つけられた瞬間の喜びはひとしおです。
ワカケホンセイインコ
ワカケホンセイインコは、ホンセイインコの亜種で、インド南部やスリランカが原産地の緑色の鳥です。全長はおよそ40cmで緑色の体色をしており、雄の成鳥には喉から首にかけて黒い輪のような模様のある特徴的な見た目をしています。日本には飼い鳥として持ち込まれ、1960年代から関東地方などで野生化し始めました。
石神井公園でも頻繁に目撃され、さえずりながら上空を通過する様子がよく見られます。時々園内の木に群れをなして留まっている事があり、運が良ければ観察することが出来ます。
石神井公園での野鳥観察の記録
冒頭でも触れている通り、私は石神井公園で何度の野鳥観察を楽しんでおり、その記録をブログに残しています。その中でも特に石神井公園での観察の雰囲気を伝えられるものをいくつか紹介します!
2023/1/22の観察記録
冬の石神井公園には多くの冬鳥が来訪します。この記事ではヨシガモやジョウビタキのような冬鳥や、通年見られるエナガ、カワセミの観察記録を紹介しています。
2023/4/9の観察記録
春の石神井公園は新しい命で溢れており、様々な野鳥の子育ての様子を観察することが出来ます。この記事ではカイツブリやアオサギの家族の様子や、この時期にも見られる冬鳥についての観察記録を紹介しています。
2023/5/2の観察記録
石神井公園には夏鳥もやってきます。この記事ではカイツブリの抱卵の様子や、キビタキ、センダイムシクイのような夏鳥の観察記録を紹介しています。
まとめ
野鳥観察好きの立場から、野鳥観察に興味のある方向けに石神井公園についての情報をまとめてみました。石神井公園は本当に良いところで、自然や生き物が好きな方であればぜひ一度足を運んで欲しいスポットとなっています。ぜひこの地で少しでも多くの方が野鳥観察の楽しさを知ることができればとても嬉しいです。
もしこの記事で石神井公園について気になりましたら、是非足を運んでみてください!愛らしい鳥や雄大な自然に囲まれ、きっと日頃のストレスから開放することができるでしょう。
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