SEL200600G + a7R Vにテレコンは有効なのか?a7R IIIと比較して検証してみた

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撮影機材

野鳥撮影を嗜まれている方であれば、テレコンバーター(以下テレコン)を活用していたり、今使っていなくとも今後導入を検討しているのではないでしょうか?一般に手が届きやすいレンズの焦点距離はおおむね600mm程度、長くても800mmほどというところですので、それでは足りないと思う程度に遠くから鮮明に野鳥の姿を写したい場合にはテレコンが必須になってきます。特に小鳥を追う機会が多くなると、思った以上に近付くことができず、焦点距離を稼ぎたくなるのではないでしょうか?

一方で、なんでもかんでもテレコンを付ければ良いというわけでもありません。テレコンの仕組み上、テレコンを取り付けるレンズ(マスターレンズと呼びます)の解像性能が足りていなければ、撮影できる写真も思っていたほど解像しきっていない、ぼやけた写真になってしまいます。ちょうど、一般的なデジタルズームをしたような感じです。

本記事では、個人的な好奇心からa7R VにテレコンとしてSEL14TCを利用するようなマスターレンズに高い解像性能を求められる場合において、SEL200600Gを用いる事が解像性能不足になっていないかを検証していきます。a7R V + SEL14TC + SEL200600Gは普段私が利用している機材一式になります。どんな性能を見せてくれるか楽しみですね。

検証を行う背景

これまで私もテレコンを野鳥撮影に利用してきました。過去の購入報告の記事が2023/2/4付けですので、そろそろテレコンを利用し始めて一年というところでしょうか?

構成としてはa7R Vというフルサイズカメラ屈指の画素密度を誇るカメラに、SEL200600Gという比較的安価なレンズと1.4xテレコンであるSEL14TCを組み合わせて利用しています。しかし、これはマスターレンズにかなりの解像性能を求めている割には安価なレンズとなってしまっているため、解像性能不足になっているのではないかと気になっていました。前述した通り、解像性能が不足している場合、付けても付けなくても撮れる写真は大差ないと言うことになってしまいます。それだけではなく、テレコン装着は

  • 焦点距離が伸び画角が狭まるのでフレーミングが難しくなる
  • F値が大きくなり暗くなってしまう
  • フォーカスが遅くなる
  • 余計なレンズが挟まることによる光学性能の劣化が少なからずある

といったデメリットも抱えているため、ある程度差をつけて解像性能を改善してくれないとむしろ付けない方が良いことになってしまいます。

一応撮っている感じでは問題なさそうだとは思ってましたが、感覚ではなんとなく納得できずもやもやが残ってしまいます。気になってしまったら検証しないと済まないのが私の性分ですので、検証を行ってみることにしてみました。

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検証方法

テレコンの装着前後を比較してみるのも良いですが、私はa7R Vの旧型機であるa7R IIIも持っています。センサーサイズは共通なものの、a7R Vの方が高解像なので、これで比較ができそうです。そこで、本記事ではボディの方を変更し、SEL200600G + SEL14TCを4240万画素のa7R IIIと6100万画素のa7R Vそれぞれに取り付け、撮影された写真を比較することにします。a7R IIIを利用してもなお解像性能に余裕があるのであればa7R Vのほうがより解像した写真が撮れるはずです。この場合は少なくともレンズの性能をフルに引き出すにはa7R Vの高解像がこの構成でも意義のあるものということが分かります。

逆にa7R IIIですでに頭打ちになっているのであれば双方で撮影された写真に大差はないはずです。この様な結果に至った場合は完全に解像不足でテレコンを装着している意味がないと判断できます。

撮影はノイズ等の影響を最小限にするために、ISOを100に固定した状態で、露出が揃うようシャッタースピード、絞りを統一して行います。また、色味が変わっても比較に困るため、ホワイトバランスを「白熱灯」とします。

検証結果

検証方法をお伝えしたところで、実際に撮影した写真を見比べてみましょう。

被写体には実際の野鳥を想定して鳥の羽根のアクセサリーと、毛が生えたぬいぐるみを用いました。宅内で検証を行っているため、あまり距離を稼げませんでしたが、おおむね7~8m位の距離から撮影しています。

まずはa7R IIIで撮影した写真です。

次にa7R Vです。

ぱっと見では大差ないように見えますね。次に細部を見てみましょう。解像性能を測るために毛深いぬいぐるみを用意したのですが、この程度では大差はないようでした。この写真の中で一番細かい要素は羽の部分です。この繊維の一本一本がはっきり分かれているかで解像性能を測ることができます。

a7R III
a7R V

それぞれの写真から羽の部分を抜き出してみました。どちらも大まかには一本一本の繊維が描写できているように見えますが…

a7R III
a7R V

最も細かい部分を拡大して見ると一目瞭然です。a7R IIIでは潰れてしまっているようなところもa7R Vであればしっかり描写できています。ただ、思っているほどの差はなくて、a7R IIIも十分に健闘しているように見えます。

一応これで当初の検証は完了しましたが、せっかくなのでテレコンのある無しの比較もしてみました。

a7R V テレコン無し
a7R V + SEL14TC

テレコン無しでもかなり解像してますが、やはりテレコンを装着するほうがよりはっきりとした描写になってますね。印象の話になってしまいますが、潰れてしまってる箇所以外にも周囲の繊維の立体感もテレコン付きの方が勝ってるように思います。テレコンを付けることでF値は大きくなり、フォーカススピードも落ちてしまう問題もあるのですが、それに見合ったリターンがありそうに思います。

最後に、a7R Vとa7R IIIで撮影した写真のRAWとJPEGファイルを配布します。更に詳細が気になる方は、ぜひお手元で比較してみてください。

結論

ボディを変更する検証を通して、少なくともSEL200600G + SEL14TCの解像性能はa7R IIIではフルに発揮しきれておらず、これ以上の解像性能を持つa7R Vやa1をこの構成に利用する価値はありそうだということが分かりました。ただ、a7R Vの性能をフルに活かせているかというのは、より画素密度の高いカメラを用いて比較する必要がありますが、今のところその様なカメラはEマウントには存在しないので、これはなんとも言えなさそうです。流石に持っていないので検証できないのですが、a1とa7R Vで解像性能に差が出るのかは気になるところです。わざわざ解像性能番長のa7R Vを選んで使っているので、a1との差があってほしいと願うばかりですが、a7R IIIの解像性能を見るにあまり大きな差はないんだろうなと思っています。

また、テレコンの有り無し比較の検証も行ったことで、テレコンを装着することで素の状態よりも解像性能が改善することも分かりました。テレコンを装着すると複数のデメリットも発生しますが、その分のメリットもあることが分かりました。最近AFの速度に不満があり、テレコンを外しても良いのではないかと思い始めるところがあったので、これは良い発見でした。

SEL200600Gは安価なレンズで性能も控えめなため、SEL600F4GMのような高級レンズにすることでもっと解像する写真が撮れるのではないか?という妄想を時々するのですが、SEL200600Gの解像性能もなかなか侮れません。もちろんその他にもフォーカスの速さが違ったりときになるポイントはまだまだありますが、SEL200600Gの性能は今後も長く使っていけそうです。

なお、余談ですが今回被写体として利用したアクセサリーは掛川花鳥園で限定販売されたルリコンゴウインコの羽チャームです。とっても綺麗でお気に入りのアイテムです。同様の製品が欲しい方はぜひ掛川花鳥園のニュースにご注目ください。

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