葛西臨海公園は絶好の野鳥スポット!バードウォッチャーが教えるおすすめスポットの紹介

スポット紹介

野鳥に興味があるけど、どこに行けば野鳥と出会えるのかわからない、そんなお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?当ページでは、野鳥に出会えるスポットとしてオススメの「東京都立葛西臨海公園」(以降は葛西臨海公園と記述します)を紹介します!

私は野鳥観察を趣味としており、これまで何度か葛西臨海公園で野鳥を観察するために当スポットに足を運んできました。その経験から、野鳥観察を目的とした際の当スポットの魅力や、野鳥に会えるポイントをお伝えします!

それでは紹介を進めていきましょう!

葛西臨海公園はどんな所?

葛西臨海公園は江戸川区に位置する都立公園です。77.9ヘクタールの広大な面積を誇る園内は鳥が好む森や池、広い芝生や海岸線等の自然と、人が通行しやすい広い遊歩道や野鳥の観察のために用意された施設が存在しており、野鳥観察に適した環境が整えられています。

公園内には、「鳥類園ゾーン」という、広大な森と池、野鳥の観察ができるウォッチングセンター(執筆時点では工事中。令和6年2月28日完了予定)を備えたエリアがあり、野鳥に出会いやすい環境が整備されています。また、海岸や隣接する葛西海浜公園から望むことができる「東なぎさ」と呼ばれるエリアは人の立ち入りが禁止されており、大変多くの野鳥の姿が確認できます。

園内には他にも「葛西臨海水族園」や「BBQエリア」、日本第二の大きさを誇る「ダイヤと花の大観覧車」などの施設が存在しており、野鳥観察以外にも楽しめるポイントが沢山存在しています!

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葛西臨海公園の情報

インターネット上の情報

公式サイト

情報サイト

葛西臨海公園|公園へ行こう!

野鳥情報サイト

葛西臨海公園・鳥類園Ⅱ
葛西臨海公園・鳥類園のスタッフによる(非)公式ブログです

SNS

公式Twitter

@ParksKasai

葛西臨海公園鳥類園スタッフ

@gNmj19K9pX1fhPe

動画

「東京都」が公開している、葛西臨海公園についての現地映像付きでの解説を行っている動画を紹介します。自然の多い葛西臨海公園の特色がよく分かる動画となっています。

スポットへのアクセス

この項目に記載の情報は記事執筆時点での情報です。更新から時間が経っている場合は以下の公式サイトの情報を確認してください。

アクセス・駐車場|葛西臨海公園|公園へ行こう!

葛西臨海公園は東京都江戸川区臨海町6-2-1に位置しています。公園は常時開放されており、入園料は無料です(一部有料施設あり)。

所在地

東京都江戸川区臨海町6-2-1に位置します

23区内に存在し、徒歩で通える範囲に駅も存在するため、気軽に立ち寄ることが可能です。

交通アクセス

電車

京葉線・武蔵野線「葛西臨海公園」駅からすぐ

バス

東京メトロ東西線「西葛西」(T16)・「葛西」(T17)から都バス葛西臨海公園行きで約20分。

水上バス

「お台場海浜公園」から東京水辺ライン(水上バス)で約50分

駐車場情報

公園には有料駐車場が1つあり、24時間利用可能です。駐車場の利用料金は交通系電子マネー及びICクレジットでの精算が可能です。ただし、二千円札以上の高額紙幣は利用できないため、ご注意ください。

葛西臨海公園駐車場
  • 住所: 江戸川区臨海町6
  • 電話番号: 03-3877-0725
  • 料金: 普通車は1時間まで300円、以後20分毎に100円。入庫後12時間最大料金は1200円。最大料金は土、日、祝日は適用されません。
  • 台数: 181台(うち身障者用18台)

野鳥観察でのおすすめスポット

葛西臨海公園には様々な魅力あるスポットがありますが、ここでは野鳥観察を行う上でオススメのスポットについて解説していきます!

なお、園内全体を解説したマップについては公式が提供するマップがありますので、以下リンクからそちらを参照してください。

公式マップ

鳥類園マップ

上の池

上の池は名前の通り淡水による池が広がっており、カモ類やサギ類に代表される多くの水鳥が見られます。水辺が好きな鳥さんがここに多く集まってきます。運が良ければカワセミに出会えることもあります。

この場所には葛西臨海公園内で唯一ヨシが茂っている箇所もあり、ヨシ原が好きな野鳥に出会うチャンスもあります。ただし、比較的見通しが悪かったり、距離があるため、ヨシ原を好む野鳥を狙うのであれば他のスポットに出向くほうが出会いやすいかもしれません。

下の池

下の池は海水と淡水が混ざった汽水で満たされた池です。上の池と同じく水鳥が多いのですが、あちらとは異なり干潟が存在することもありそのような環境を好むシギ・チドリ類を見かけることが出来ます。

その他、このスポットでは鳥以外にも大量のカニの仲間も生息しています。鳥探しに疲れた際は、この場所でカニの観察に興じてみると気分転換になります!

上の池~下の池周辺の森

上の池、下の池周辺には木々が広がっており、鬱蒼とした森となっています。ここではカラ類などに代表される小鳥を見かけることが多いです。夏になるとムシクイの仲間にも出会うこともあり、冬にはヒタキ類もこの地にやってくることがあります。

開けた場所もあるので全体がそういうわけではないのですが、木々の密度が高く、薄暗かったり、鳥を見つける事自体が難しかったりとこの地で鳥を探す難易度は高めです。鳴き声を頼りに探してみましょう!

芝生広場周辺

葛西臨海公園の西側に広がるこの地は芝生の広がる開けたエリアで、スズメやカワラヒワのような小鳥が多く見られます!ひまわり畑が広がっており、季節が合えばひまわりと小鳥のツーショットといった可愛らしい場面に出会うこともできます!

バーベキュー広場周辺 ~ 芦ヶ池にかけての森

この周辺は木々が鬱蒼としており、晩秋から冬の時期になると落ち葉が多く地面に溜まります。このスポットでは、落ち葉をガサゴソ漁り餌を探すのが好みなツグミの仲間に出会いやすいです。

また、薄暗い森ということもあり、やはり小鳥に出会うチャンスもあります。過去にこの地でヒタキ類の鳥さんと出会った経験があります!

東なぎさ

東なぎさは葛西臨海公園の東南に位置するなぎさです。ラムサール条約に登録された野鳥の保護区であり、数百羽を超えるレベルの非常に多くの野鳥を観察することが出来ます。ただし、人の立ち入りが禁止されているため、葛西海浜公園の西なぎさや、葛西、葛西臨海公園の岸などかなりの遠距離から望む形となります。

この地にはカワウやサギ類、何種類かの海鳥がよく見られます。時々猛禽類も見かけることがあります!大半の鳥はあまり動かないのですが、猛禽類は狩りのために時々対岸の葛西臨海公園側にやってくることがあります。狙いの猛禽さんを見かけたら、こちらに飛んでくることを願ってしばらく観察してみるのも良いでしょう!

オススメの機材

葛西臨海公園は場所によりますが比較的野鳥と人間の距離が近い環境です。そのため、双眼鏡であれば8倍程度、カメラレンズであれば300mm程度あれば万全とは言えなくてもある程度不自由なく野鳥を観察することができるでしょう。池でくつろいでいるカモを眺めたい、程度であればもっと短くても大丈夫です。

なお、前述した東なぎさなど、スポットによっては非常に距離の遠い場所にいる野鳥を観察することになる場合があります。こういった極端な距離の野鳥を狙いたい場合は前述の仕様の機器では野鳥の種類の判断すら難しい可能性があります。そのため、このような場合はより遠くを見ることができる双眼鏡では12倍、カメラレンズであれば600mm以上のものがあると安心して観察できます。

もしカメラを利用される場合は、ある程度高感度に強い機材を持ち込むことをおすすめします。園内には森も多く、薄暗い場所が多いです。ISO3200程度まで上げても困らない程度の機材であれば安心して撮影ができるでしょう。その他、風景も大変綺麗な場所ですので、広角レンズを持ち込むのもアリかなと思います!

その他カメラについては初心者にオススメのものを以下で紹介しています。この中で紹介したカメラであれば葛西臨海公園での撮影もある程度楽しむことができるでしょう。

園内には三脚禁止の場所は無く、スペースも広めの場所が多いため、三脚を使うことで腰を据えてじっくり野鳥観察を行うことが出来ます。ただし、野鳥を狙える場所というのは限られているため、長時間の専有は避け、譲り合いの精神で利用しましょう。

その他、葛西臨海公園は自然豊富なスポットであり、野鳥以外にも美しい風景や綺麗な花、興味深い虫などに出会うこともあります。天気が良いと富士山が見えることまであります。そのため撮影を行っていると野鳥用の望遠レンズ以外のカメラも同時に扱いたいと思うことも多々あります。そのような場合には「カメラホルスター」の導入がおすすめです。Ulanziのカメラホルスターについて以下でレビューしていますので、気になりましたらご一読お願いします。

生息する野鳥の紹介

葛西臨海公園では主に以下のような野鳥が見られます。

アオアシシギアオサギイソシギイソヒヨドリウミネコ
オオヨシキリオナガカイツブリカルガモカワウ
カワセミカワラバトカワラヒワキジバトキビタキ
クロツラヘラサギコアジサシゴイサギコゲラコサギ
コサギコムクドリササゴイシジュウカラスズガモ
スズメセンダイムシクイダイサギツバメトビ
ハクセキレイハシブトガラスハシボソガラスヒバリヒヨドリ
ヘラサギミサゴムクドリメジロヨシゴイ

アオアシシギアオサギアオジアカハライソシギ
イソヒヨドリウグイスオオジュリンオオバンオナガ
カイツブリカルガモカワウカワセミカワラバト
カワラヒワカンムリカイツブリキジバトキンクロハジロゴイサギ
ゴイサギコゲラコサギシジュウカラジョウビタキ
シロハラスズガモスズメセグロカモメダイサギ
ツグミトビノスリハクセキレイハシビロガモ
ハシブトガラスハシボソガラスハジロカイツブリバンヒドリガモ
ヒヨドリホシハジロマガモミサゴムクドリ
メジロモズヤマガラユリカモメ

その中でも特によく見られる代表的な野鳥を何種類か紹介します!

なお、見かけた野鳥の判別についてはスマホアプリ「Google レンズ」を使うと快適です。過去にこのアプリについてまとめた記事をアップしていますので、こちらもオススメです!

コチドリ

干潟を歩くコチドリ

コチドリは、チドリ目チドリ科チドリ属に分類される鳥類で、その学名(Charadrius dubius)は「峡谷に巣を作る不確かなもの」という意味を持ちます。全長約16cm、翼開長約35cmと小さく、日本のチドリ類では最小の種です。頭頂部と背面は灰褐色、腹面は白で、眼の周囲の太い黄色のアイリングが特徴です。また、嘴から眼を通り側頭部へ続く黒い筋模様と、頸部の黒い首輪状の斑紋も特徴的です。子育ての際には自らがケガをしたふりをして獲物の注意を引き、雛を守る「擬傷」という珍しい行動を行うことで知られています。

コチドリは葛西臨海公園の干潟で餌を探していることが多いです。キュートなアイリングが目立ちそうですが、動きがすばしっこく、グレーの体色も相まって干潟の風景に溶け込んでいることが多く、意外とぱっと見では見つけられないことも多いです。よく目を凝らして探してみましょう!

クロツラヘラサギ

クロツラヘラサギは、鳥綱ペリカン目トキ科ヘラサギ属に属する鳥で、名前の通り黒い顔とヘラのように薄いクチバシを特徴としています。全長は70 – 80センチメートルで、体重は1,580 – 2,200グラムとなります。繁殖期になると冠羽が伸長し、冠羽や胸部・眼先の皮膚が黄色みを帯びます。絶滅危惧種とされており、見かけることの少ない野鳥になります。

葛西臨海公園では夏頃になるとその姿が見られるようになります。この特徴的な外見を覚えて探してみましょう!

カワセミ

カワセミは全長17cmで、体に対して長いくちばしを持つ魚取りに優れた鳥です。日本全国で見られ、巣は土崖に横穴を掘って作ります。主に淡水域の水辺で餌をとりますが、海岸で餌を探すこともあります。鮮やかな羽色と翡翠のような体色から「飛ぶ宝石」とも称され、その美しさは古代から注目されてきました。

葛西臨海公園では通年見ることができる野鳥の一つです。夏よりは冬のほうが姿を見かけることが多いです。園内で水辺付近を歩いていると、自転車のブレーキ音のような、「チー」という澄んだ高い声を聞くことがありますが、これがカワセミの鳴き声です。この声を頼りにカワセミを探してみましょう!

キビタキ

キビタキは全長13.5cmの鳥で、オスはオレンジと黒からなるカラフルな色彩を持ち、一方でメスは地味な暗緑色です。写真の個体はメスになります。キビタキは木の穴や建物の隙間に巣を作り、繁殖期にはオスが日の出とともに美しい「さえずり」を歌い上げ、なわばりを宣言します。その美しい体色と声で、夏鳥の中でも特に目立つ存在です。

4 ~ 5月の初夏と10~11月頃の初秋になると葛西臨海公園にやってきます。その非常に美しい声は園内に広く響くため、キビタキが居ること自体は比較的簡単に知ることが出来ます。ただし、姿を見つけることができるかはまた別の問題で、小さく、素早く、背中が暗い色で、目で観察することはなかなか難しいです。野鳥観察に慣れてきたらぜひ見つけてみたい種類の鳥になります。観察の難しい鳥を見つけられた瞬間の喜びはひとしおです。

葛西臨海公園での野鳥観察の記録

2020/10/25の観察記録

秋の探鳥で多くの夏鳥や海辺の野鳥達と出会った記録です!

2021/4/18の観察記録

絶滅危惧種にも指定された、希少なクロツラヘラサギを見かけた記録です!

その他

その他の観察記録は以下を閲覧してください。随時更新しています。

まとめ

野鳥観察好きの立場から、野鳥観察に興味のある方向けに葛西臨海公園についての情報をまとめてみました。この公園では森と海と池と、野鳥が好む特色あるフィールドが一通り揃っており、非常に多くの野鳥と出会うことが出来ます。ぜひこの地で少しでも多くの方が野鳥観察の楽しさを知ることができればとても嬉しいです。

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