野鳥観察などの際に「これってなんの鳥なんだろうか?」と疑問に思ったことはありませんか?今はインターネットで見られる野鳥図鑑もありますが、鳥の種類も多いので慣れないうちはそれらを活用しても何の鳥なのか知るのはなかなか難しいです。
こんなときにその鳥の特徴を入力すると、その鳥の種類を教えてくれるようなものがあると便利ですよね!もしかしたら最近話題のAIであるGPT-4が利用されたBingであれば教えてくれるかも!と思い、試してみました!
GPT-4とは?
本題に入る前に軽くGPT-4についてご説明します。
GPT-4はインターネット上の大量のテキストデータから学習して、人間が話すような自然な文章を作ることができるプログラムです。このプログラムは人間が入力した言葉や画像に対して適切な返答や文章を生成することができます。GPT-4以前にGPT-3.5やGPT-3といったプログラムもありましたが、これらよりもずっと多くのデータを学習しており、その分だけ精度や信頼性が高くなっています。どれだけ優れた性能をしているかというと、アメリカの司法試験に合格するレベルにまでなっているそうです。
そんな優れたGPT-4をMicrosoftの検索サイトであるBingから利用することができます。
実際に使ってみるとこんな感じです。
質問の内容から検索を行い、回答を行ってくれます。見事に正しい回答を行ってくれました!
これだけ優れたプログラムであれば、きっと鳥の特徴を言葉で伝えると、適切な鳥の種類を教えてくれるのではないでしょうか?とても期待してしまいます。
試してみる
それでは実際に試してみましょう!
答えとして想定している鳥さんを用意し、その特徴を文章でBingに入力し、想定している鳥さんを見事言い当てる事ができるかどうか、実験してみたいと思います。
なお、このブログを執筆した時点のBingには会話のスタイルを指定する機能があるのですが、これは「バランス」を選択しています。
1. シジュウカラ
まずは定番の野鳥さんである、シジュウカラさんについて聞いてみましょう!シジュウカラの特徴としては以下のようなものが挙げられます。
- サイズがスズメより小さいくらいの小鳥
- ぱっと見でここまで詳しくサイズを認識するのは難しいと思われるため、Bingにはスズメと同じくらいと伝えてみます
- 背中は鮮やかな緑色
- 頭は黒く、頬が白い
- お腹にネクタイのような模様がある
- 日本に生息する
- 都市でも樹木があるところであればよく見かける
それではこの特徴をBingに伝えてみましょう!
おや?間違った回答が返ってきてしまいました。なぜでしょうか?
理由はBingの検索によるもので、AIが行ったのと同じ検索を実行すると、トップにアオジが来てしまいました。これを参照したことにより間違った回答を行ってしまったようです。
それでは検索を実行させないで回答するようにお願いしてみましょう。
アオジよりはまだ近い気はしますが、違いますね。回答の内容も全く事実と異なるものになってしまっています。GPT-4にはシジュウカラとメジロの区別がつかないようでした。
2. カワセミ
気を取り直して他の鳥さんも試してみましょう!次はカワセミを試してみます。カワセミの特徴は以下の様な所が挙げられます。
- サイズはスズメより少し大きいくらいの小鳥
- ぱっと見でここまで詳しくサイズを認識するのは難しいと思われるため、Bingにはスズメと同じくらいと伝えてみます
- 背中が青色、お腹がオレンジ色
- 水に飛び込む
- 池の周辺に生息する
- 長く尖った嘴を持つ
- 日本に生息する
それではこの特徴をBingに伝えてみましょう!なお、こういった長文の質問を投げるとシジュウカラの際と同じく検索により精度が悪化する事象がよく見かけるため、同じく検索は実行しないようにお願いしています。
今度は正しく「カワセミ」と回答してくれましたね!ただし、補足として記述された日本の国鳥であるという情報は誤っていますね。結構いい加減な回答をしてしまうことも多いようです。
3. マガモ
最後にカモ類代表としてマガモについて聞いてみます!マガモの特徴は以下の様な所が挙げられます。
- 頭が緑色、首に白いリング模様がある
- 体が白色
- 嘴が黄色
- 水に浮かんでいる
- 冬によく見られる
- 日本に生息する
この内容で聞いてみました!
残念ながら誤った回答となってしまいました。
大ヒントとしてカモ類であるという追加情報も与えてみましょう。
それでも誤った回答となってしまいました。
結論
3種類の鳥について、その特徴を伝え当てることができるかを実験しましたが、正答に至ったのはそのうちの1種類だけで、精度は大変悪いと言わざるを得ない結果となりました。GPT-4の性能は大変素晴らしそうだと期待していたのですが、この領域ではまだまだ活用は難しそうです。
なお、AIとうまくやり取りする方法は日進月歩で進化しており、より適切な方法で会話を行ったり、より多くの特徴を伝えることで、精度を向上させることは可能かとは思います。ただし、これ以上利用方法を工夫したり、特徴を述べるところに苦労するくらいだったら、素直に野鳥図鑑を見たほうが早そうだと感じたため、そこまでは行いませんでした。あくまでそれらの代わりにもっと楽に鳥さんの種類を特定する方法を知りたかったのが目的であるためです。
残念ながら今のところこういった用途にGPT-4を活用したBingを活用することは難しいというのが現時点での結論になりましたが、AIの進化は非常に早いです!一年、半年、もしかしたら一週間後にも進化を果たし、適切な回答を行ってくれるようになるかもしれません。ぜひ今後に期待しましょう!
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